研究

Research001

NIRSとアイトラッカーを用いたデザイン思考と脳活動の関係性解析

デザイン思考とはデザイナー・設計者がデザイン設計行為のなかで行う問題発見・問題解決のための思考です.本研究では,近赤外線分光法(NIRS)脳血流計測装置や視線計測装置(アイトラッカー)を用いて,デザイン思考時の脳活動を定量化することを目指しています.例えば,デザイン思考を行う際に用いられる代表的な形状生成方法であるスケッチに着目し,被験者がスケッチを描きながらデザインする際の脳活動を測定・解析しています.
Research002

設計構造マトリクスを用いた部品のモジュール化

設計構造マトリクス(DSM)とは,製品設計に関する様々な事柄(製品の機能や部品,開発チーム,開発プロセスなど)を整理するための行列です.本研究では,DSMのなかでも,製品の構成部品を整理するためのコンポーネントDSMに着目し,部品間の関係性を定義するいくつかの特性(エネルギー入出力,部品配置,コストなど)間にトレードオフ関係がある場合に用いる部品のグループ化(モジュール化)手法の構築に取り組んでいます.
Research003

NIRSとアイトラッカーを用いた感動生起と脳活動の関係性解明

近年,消費者のニーズは,「便利な機能」から「心の満足」へと変わってきており,なかでも消費者に感動を与える製品開発が数多く行われています.これまでの感動の評価は,官能評価などにより主観的に行われてきましたが,客観的に評価するための生理指標の構築が求められています.本研究では,近赤外線分光法(NIRS)脳血流計測装置を用いて,感動生起時の脳活動を定量化することを目指しています.例えば,感動生起を伴う対象として芸術作品に着目し,被験者が芸術作品を観賞する際の脳活動を,測定・解析しています.
Research004

モビリティシステムの価値成長デザイン

価値成長デザインとは,時間が経つほど製品の価値が成長するデザインのことです.価値,すなわち製品の魅力が使うほど増えれば,製品の使用期間が延びるため,価値成長デザインは大量生産大量消費社会を変える可能性を秘めています.本研究では,自動車の価値成長に関する調査・分析を行っています.例えば,ドライバの運転技術の成長を促す運転技術向上支援システムが,信頼や安心などの価値の成長に与える影響を分析しています.
Research005

メタヒューリスティクスを用いたセットベース設計手法の効率化

セットベース設計手法とは,設計変更時の手戻りを防ぐため,性能の許容範囲を満たす設計変数の範囲を導出する手法です.本研究では,GAやPSOなどのメタヒューリスティクスを用いて同設計手法における設計変数範囲の導出に関する計算効率の改善に取り組んでいます.また,加工誤差や使用環境の変化など,製品設計において制御できないばらつきを想定することにより,同設計手法の適用範囲の拡大に取り組んでいます.
Research006

モデルベースコンセプトデザイン(MBCD)手法

システムズエンジニアリングの1つのアプローチとして,製品の情報(文章や式)を,図で表現するモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)があります.しかし,MBSEにおいては,開発のコンセプトデザイン段階の情報を表現するモデルが不足していると言われています.本研究では,既存のデザイン手法の特徴を分析することにより,コンセプトデザイン段階で有効なコンセプトデザインのための手法の構築に取り組んでいます.
Research007

NIRSを用いたヒトの感性評価の定量化

多くの場合,ヒトの感性は,官能評価実験などにより主観的に評価されています.本研究では,近赤外線分光法(NIRS)装置を用いて,ヒトの感性評価と脳活動の関係性を解明することを目指しています.例えば,色の異なる照明下の被験者の脳活動を計測し,計測結果と官能評価(「快-不快」,「覚醒-睡眠」等)との対応を解析しています.
Research008

形状の感性評価に基づく曲面形状生成手法

近年,コンピュータが製品形状を自動生成する技術(ジェネラティブデザイン)が注目されています.しかし,それらの多くは力学的評価のみに基づいており,デザインにおいて重要なヒトの感性評価を包含することが望まれています.本研究では,ガウス曲率の変化量に注目した「ガウス曲率積分」と「ガウス曲率エントロピー」の2つの指標を用いて,ヒトの感性評価に基づく曲線・曲面形状を自動生成するシステムの構築に取り組んでいます.
Research009

機械学習を用いた三次元ボクセル形状の生成

近年,形態情報からユーザの美的好みを推測する計算美学が注目されています.本研究では,機械学習の一種であるVAE(Variational Autoencoder)により得られた形状間の類似性指標を用いて,三次元形状に対する美的好みの定量化を試みています.さらに,定量化された美的好みに基づいて,デザイナの発想を支援するための三次元ボクセル形状を生成するシステムの構築にも取り組んでいます.
Research010

シェアリングエコノミー

シェアリングエコノミーと呼ばれる,製品・サービスをステークホルダーがシェアする経済活動(サービス)が近年注目されています.しかし,そのための規格やデザイン方法は確立されていません.本研究では,先行研究や既存サービスを分析することで,デザイン要素の整理に有効なメンタルモデルの知見,シェアに必要な「信頼感」の知見,及び,各国のシェアサービスの違いなどの視点を加えた,新しいデザイン方法やデザイン指針などの提案を目標としています.
Research011 

光学シミュレーション動画の画像特徴量と感性評価の関係性解明

近年,製品の機能的価値に加えて感性的価値が重視されてきており,製品の意匠的評価は製品開発における重要な工程の1つとなっています.本研究では,光学シミュレーションとその画像解析技術を用いて,光学特性や画像特徴量がヒトの美的好みに与える影響の解析を行っています.例えば,光学シミュレーションで作成した様々な光学特性を有するダイヤモンドの動画を用いて,ダイヤモンドの煌めきに関するヒトの美的好みとの関係性を解析しています.
Research012 

曲率エントロピーを用いた視覚と味覚のクロスモーダルの解析

ある感覚が他の感覚に干渉してその感覚自体が変化するクロスモーダル効果が注目されています.視覚と味覚のクロスモーダル効果として,角ばった形状が酸味や苦味(味覚)を強めることが知られています.しかし,それらの解析で用いられる形状サンプルの特徴は定性的に評価されており,定量的な検討は行われていません.そこで,本研究では,形状に関する「複雑さ」の定量的な指標である曲率エントロピーを用いて,クロスモーダル効果を明らかにすることを目的としています.
Research013 

赤外線深度カメラを用いた非接触生体内負荷推定システム

急速に普及したリモートワークの影響により,設備の整っていない居住環境下での労働による健康確保が問題視されています.本研究では,赤外線深度カメラを用いて計測したVDT作業中の着座姿勢に基づいて,関節圧縮力や筋応力などの身体にかかる負荷を推定するシステムを開発しています.